BALLET & DANCE = My LIFE

バレエのこと。ダンスのこと。

イスラエル・ガルバン公演SNS隊長の独り言

*2023年2月11日にnoteからはてブロへこの記事を移動しました。ガルバンの招聘公演を終え、今DaBYはKidd Pivot招聘公演のチケット発売中!今回はどんなことができるかな。

kiddpivot.dancebase.yokohama

 

1年弱投稿していなかったnoteですが、ちょっと思うところがあり、再開してみようかと考える今日この頃。
まずは、DaBY(Dance Base Yokohama)リーガルアドバイザとして、絶対書かなければと思っていたこの件について、綴ってみようと思います。

・・・・・

はや1カ月以上時間が経ってしまいましたが、夢のように駆け抜けていったフラメンコ界の革命児イスラエル・ガルバンの招聘公演。

danceconcert.jp

今も鮮明に頭に浮かぶこの公演の主催をしていたのがDaBYであり、招聘が現実味を帯びたその日から公演が終わるまでの約1か月間、私はSNS隊長として「広報」の一部に携わっていました。

 

 

リーガルアドバイザーがSNS隊長!?

リーガルアドバイザーがなぜ…?と思われたのは、みなさんだけではありません。任命されたときは私もビックリ笑
理由は、こちらのクラウドファンディングでした。

readyfor.jp

DaBYでは、スタッフが自身の知見や経験を持ち寄る勉強会を開催しているのですが、このクラファンでプロマネとして関わった学びを共有したことが、本公演でSNS隊長に任命していただくきっかけになりました。

 

リーガルアドバイザーは、通常契約周りやリスク整理で関与していますが、やはり関わる範囲は限定的。クラファンがきっかけで広報に関われるなんて夢のよう…!とキラキラした思いで始めたものの…
蓋を開けてみれば心が折れそうになることの連続。皆さんに助けていただき、どうにか公演最終日まで走り切ることができました。

 

そんな貴重な経験を忘れたくない、絶対に次はより良いものにしようとの思いもあり、このnoteを残しておくことに決めました。

 

18日間の短期決戦

コロナ禍における海外招聘だった本公演。詳細は割愛しますが、公演が実現しそうだと決まったのは、神奈川公演初日まで1か月を優に切ってから。チケットの販売を開始したのは、初日のわずか18日前のことでした。

通常、ダンスやバレエの公演は、開催日の数か月前~半年くらい前から公演を告知し、様々な広報手段を駆使してチケットを販売します。
販売期間18日間など異例中の異例。無謀そのもの。

 

もともとダンスという敷居の高さから、興味ゼロの人をチケット購入に至らせることは難しいと考え、バレエやコンテンポラリー・ダンスの鑑賞経験がある方・イスラエルのルーツであるフラメンコ業界の方を対象に発信していましたが、この期間でチケット購入の魅力づけをすることがいかに難しいか、ひしひしと感じる日々でした。

 

また、日本で行われるダンス公演は、劇団四季のようなロングラン公演ではありません。公演が始まってから、実際観に行った方の「絶対観に行くべき!」との信頼性ある熱いコメントが投稿されても、残公演日数が少ない=選択肢が少ないので、公演が始まってからチケット売上が上がっていく構造にもなりにくいように感じました。

 

結局、公演直前のマーケティングは付け焼刃でしかなく、日常的にDaBYのファンになってもらい、コアファンに対して本公演をもっとアピールしておくことが必要でした。
(今回はコロナ禍の招聘で、開催が危ぶまれており、大々的な告知は難しかったのですが、DaBY主催公演のラインナップとして、もっと計画的に、様々な方法で情報を小出しにすることはできたかも…ということです。)

 

また、DaBY主催公演であればクオリティに間違いないと信頼感を持っていただける状態を作っておくなど、直接的な公演の魅力付けだけでなく、新たな需要の芽を日常から創出する工夫をしておくことも重要であるように感じました。

 

みんなで「本番まであと1日!」のポーズ。マスク付き。

チケット購入は原則1人につき1枚

クラファンとは事情が違っていた、と感じたこともいくつか。

 

クラファンって、実は一度支援してくださった方が、追加支援をしてくださるパターンが相当額見受けられます。
目標達成額に近づいているときに「もう1回支援したら目標達成するな。目標達成すればリターンをもらえるから支援しよう」と思って追加支援してくれる方もいますし、シンプルに「もっと応援したい」という方も。

 

しかし、チケットの場合はこうはいきません。
もちろん一度観た方が「再度観たい」と思って追加購入してくださる場合もありますし、中には、ありがたいことに毎日観に来てくださった方もいらっしゃいました。
しかし、それは例外的な話。

 

1人につき1公演1枚が原則です。
もちろんご家族やご友人にご紹介いただけて複数枚ご購入くださった方も沢山いらっしゃったかと思いますが、話題性は抜群でも国内ですでに定評がある公演とは一線を画していたので、限界があっただろうと思います。
そして、クラファンなら支援金額にはかなりのバリエーションがありますが、チケットだと、S・Aといった券種による金額差分しかないのも、売上金額という意味では痛いところ。


チケット以上の特典を付け、金額にバリエーションを設けることも、考えてみてもいいのかもしれません。

 

同情による共感は使いにくい

また、クラファンと大きく異なるのがこの点です。
クラファンはある意味お祭りなので、目標達成金額に至らなければ、「助けてください」「目標達成まであと●円!」といったいわゆる煽りや陳情も、発信者側に抵抗がありませんし、お願いベースの発信が当たり前なので、受信者側にもさほど違和感がありません。

 

しかし、チケット販売は、フルハウス300席のときに、「あと100席残っています!」と煽るのは、「あ、そんなに人気がない公演なのね」といった評価に直結しやすいのでは、との不安がありました。


煽りは、消費者心理をくすぐる重要な手法ですが、このようなレピュテーションリスクを意識したときに、なかなかこの手法を使えなかったことも、チケット販売の盛り上がりを演出できなかった1つのポイントであっただろうと思います。

 

日次のKPIセットでモチベ維持を

そんなこんなで、毎日チケット販売数を追っていても、それほど数は伸びないので、だんだんモチベーションは下がっていきます。

 

そんな時の助けとして、TwitterInstagramのフォロワー数の伸びは常に追っておくべきだったなと思っています。日々発信し、多くの方がリツイートなとしてくださっていたことで、ありがたいことに、フォロワー数は伸びていた実績があったからです。

 

また、今回の集中的なSNS発信施策により集まっていただいたフォロワーの方々は、これからのDaBYを見守ってくださる方々でもあります。
今後は、人数や反応など、これからに活かすべき指標を計画の段階からあらかじめ定めてトラックすることも必要だったな、と感じています。

 

小括

今回は、気づきを中心に書いたので、「できなかったこと」や改善点が中心になってしまいましたが、「やってみて良かったこと」「スタッフの皆さんに助けていただいたこと」「お客様に救われたこと」もたくさんあります!!

 

何より、どんなことでも「やってみなはれ」と任せてくださった唐津さん・勝見さんには感謝しかありません。

次回はそのあたりのことを書くことにして、今回はこのあたりでお開きに…。

*2023年2月11日追記:2記事目がありそうなのに、ない!今年は発信を頑張る。